2018年1月12日金曜日

鳳梨酥(フォンリースー)パイナップルケーキ


鳳梨酥は、台湾の郷土菓子。

本来は、他の多くの中華菓子同様、油脂はラードを使い、アンを包むというもの。
ラードを使うと、サクサク感が、「酥」(=サクサクの食感を現す語)の文字により相応しいものとなる気がするのです。脂の分子の大きさの違いからか、ザラッとしたサクサク感は、ラード独特の食感。沖縄のちんすこうも、サブレとは一線を画す個性がありますが、これもラードの仕業でしょう。
そして、アンには、台湾パイナップルと、冬瓜の砂糖漬けを煮たペーストを合わせたものが入ります。冬瓜が入ると、ねっとり感が出てグッと東洋的になる気がします。
皮のサクサクとの対比がお互いを引き立て合って、お饅頭でもなく、タルトでもない、いや、お饅頭でタルトな「中華菓子」なのです。


微熱山丘 (SunnyHills)の鳳梨酥(パイナップルケーキ)は、そんな従来のスタイルを一掃した新しいお菓子。
皮の油脂にはバターを使い、アンは台湾産のパインのみをたっぷり。(1ケに1/8ヶ分のパイナップルを使っているらしい)更に、形もレンガ型。
お皿に乗せると、用の東西を問わないのマルチぶりが実感できます。


私は、オーソドックスな鳳梨酥も大好き。
でも、こちらを頂くと、時代の流れを感じ、変化をゆったりと受け入れる気持ちにもなるのです。

そうそう、お茶。
台湾のお菓子には台湾茶??
「地元の料理には地元のお酒が良く合う」なーんて言ったりしますが、そう簡単ではなくなっているのがクローバル化の時代なのだ。

バターの繰り出すどうしようもない主張。
バター殿、アナタのアグレッシブさが、巻き起こす様々なお菓子の変革に、茶飲みババアの私めは、いつも悩まされておりまする。

SunnyHills青山店では、台湾烏龍茶と共にティーセットで出してくれますが、私は俄然、ダージリン1st フラッシュとペアリング。
「紅茶」と呼ぶには明るすぎる色だけど、明るくも冬の間のエネルギーが詰まった一番茶のパンチ(!)。この新・鳳梨酥をエスコートするに相応しいお茶だと思っています。



お皿:設楽 享良
猪口:崔 在皓(チェ・ジョホ)



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