2016年12月19日月曜日

お櫃



ここ数年、二の足を踏んでいたお櫃を、思い切って買いました。
栗久さんの秋田杉のお櫃。
炊きたてのごはんをお櫃に移しかえるだけで御飯が美味しくなる。
更には、冷めても美味しい。
お冷や御飯が美味しいのです。温めたくないくらいに。

栗久さん曰く「お櫃に入れておけば、夏場も常温で2日間大丈夫」。

まだ夏は越えたことがありませんが、なるほどごはんの傷みというのは、湯気が水滴になり、それが傷むところから始まるのだなと、お櫃の御飯と付き合うようになって分かってきました。

ひと昔、ふた昔前、薪木をくべ竃で御飯を炊いていた頃のごはんに近づこうと、家電メーカーが研究に研究を重ね優れた炊飯器を生み出していますが、実は炊く美味しさ以上にお櫃の「保存」の美味しさが、キモだったりするのではないか!??
そんな思いが、ふとよぎりました。

高級炊飯器を使ったことがないのでわかりませんが、もし、ごはんをお櫃に移すひと手間が、十数万円もする炊飯器を越える美味しさを提供していたら・・・!!

なんだかほくそ笑んでしまいそう。

工芸と工業。天人合一と人定勝天のせめぎ合い。
ヒトは何でも叡智で乗り越えようと試行錯誤をして来ましたが、それを杉のわっぱがスッーと涼しい顔で成し遂げててしまったような・・・。

もう少し自然に寄り添うことで簡単にかなえられる喜びが、まだまだ沢山あるような気がしてきます。

何千万円も使って宇宙に行かなくても、数十万で行けるところにもロマン溢れる大自然が沢山あるし、里山の息づかいも捨てたものじゃございませぬ。

そんなことを思いつつ、江戸の長屋のおよねさん(仮名)になった気分でお櫃のお冷やごはんをよそい、お茶を掛ける。

ずるずるずる)))))

んまい!

美味しいお漬け物、漬けたくなります。

温故知新か先祖返りかと笑われるかもしれませんが、暮らしの中の道具、人の手を出来るだけ近くに感じていたいものです。


さて、欲は尽きぬモノで・・・・。
お櫃に入るに相応しい美味しいお米も欲しくなります。
コチラは、料理研究家の冬木れいさんから、青森土産にいただいたお米『晴天の霹靂』。
斬新なパッケージには「ごはんが好きになるお米」と。
お櫃とコレで、ごはんがもっと好きになった今日この頃です。


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