2016年5月2日月曜日

合鴨の卵





昨日、千代田町に『伝統を創る----能と神楽の出会い』を観に出かけました。
全国的にも有名な芸北の神楽、米処ならではの文化的芸能です。この辺では、神楽の舞台に立つのはちょっとした地元のヒーローなんだとか。この度は、琴庄神楽団、中川戸神楽団、大塚神楽団が出演で、出演者は皆頼もしい若人たち、なんだか誇らしげです。

今回の醍醐味は、お能との対比。
戦後の占領下で、神楽は、GHQの検閲対象になっていたのだとか(!)。
天皇を神と称え戦った日本人の「神事」である神楽は、危険視されたという事のようで、一時的に、神楽の題材を、お能から取り入れて演じていた時期があったのだそうです。
そんな演目を、お能と神楽の両方で観る貴重な機会ということでもありました。

舞台芸術は、衣食住に並んで時代と風土を反映するメディアだとしみじみ思います。
時代は激変した・・・! とはいえ、能や神楽に歓喜する沢山の観客を観ていると「いや、実は本質的にはそんなに激変してないゾ」なんて思えてきます。遺伝子に組み込まれた何かが静かに息づいているような、そんな感覚を覚えるひとときでした。

さて、車でのプチ・お出かけのもう一つの楽しみは、道の駅巡り。
中国地方は、山あり、海あり、島ありで、地域物産の探訪には尽きないところ。ドライブでは寄り道三昧になりますが、今回は神楽5時間(!)なので、高速をひとっ走り。
幸いインターを降りて直ぐのところが道の駅。短時間ながらしかと物色してきた次第。

合鴨の卵(写真)を見つけました。
注意書きに「濃いので 生食はくれぐれも避けて下さい」とある。

濃いので??

・・・ま、それは置いといて、皮蛋(ピータン)になれるくらいですから、濃いのです。
皮蛋は、豊富な油分を含んだ卵黄でないと美味しく出来ないのだそうで「最近烏骨鶏でつくられたピータンがあるけれどまだまだ・・・!」とは、中国料理のシェフの感想ですが、濃い=油分が多いということでしょうか。

これは、お菓子に向いてそうではありませんか!?

エッグタルトやカスタードクリームを作れるほど沢山無いので、まずはささやかに、ホットケーキにして頂きました。

日本のホットケーキ(パンケーキ)は、明治に始まる・・という話は、以前ブログに書いたので、端折りまする。

ちょっとスペシャルな素材で作ると、ホットケーキもなんだかご馳走に思えてきます。
素材を変えるだけでご馳走になれるのは、シンプルなお料理の特権。
ホットケーキは、ミックスが無くても簡単に作れるので、皆さん、是非ちょっとスペシャルな素材で美味しく作ってみて下さい。



  ◆材料(3〜4枚分):
    薄力粉  100g
    ベーキングパウダー  小さじ1強
    卵LL玉  1ヶ(または卵黄2ケ分プラス卵白1ヶ分)
    牛乳  80cc 
    粗糖(又はブラウンシュガー) 大さじ3
    塩  ふたつまみ
    バニラオイル  数滴
    溶かしバター(私は入れませんが、好みで小さじ2ぐらい)



* * * * * *

子供の頃、大正生まれの祖母がガンバッテ作ってくれたホットケーキ。
思えば、竃で煮炊きしてきた祖母〜母世代には、フライパンも、オーブンも、全く新しい世界だったはず。便利になったとはいえ、新しいモノに順応していくのにものすごくエネルギーを要したに違いない。
家庭で伝承されていた料理も、また料理教室で学ぶものへと変化し・・・料理関係のいろいろな職業が生まれたのですね。

食環境をキッチンから考察すると、またひと味ちがった女性史が見えてきます。



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